訴   状

本籍  朝鮮
住所  津市○○町一丁目○○番
          原  告                  李  聖  徳(一九八七年○○月○○日生)
本籍  慶尚北道英陽郡○○面○○○六三五
住所  三重県一志郡○○町字○○987番地の6
          原告法定代理人親権者父  李  在  一

住所  津市西丸之内二三番一号
          被  告        津市長    岡村  初博

外国人登録申請却下処分取消請求事件
訴訟物の価格      金九十五万円
貼用印紙額        金八千二百円

     請求の趣旨

 被告が一九九二年十月十五日付でなした外国人登録申請却下処分はこれを取消す。
 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。
 
     請求の原因

一 原告の親権者は、一九九二年六月二日に、津地方法務局で、原告の日本国籍離脱の申請をしたところ、受理され同日付で国籍離脱が認められた。そのとき、津地方法務局の職員から、法務省名古屋入国管理局四日市港出張所で、外国人登録申請をするよう指示された。

二 原告の親権者は、一九九二年六月二十二日、法務省名古屋入国管理局四日市港出張所を訪れ、原告の外国人登録申請の件につき申し出たところ、津市役所で申請するよう指示された。

三 原告の親権者は、一九九二年六月二十四日、被告に原告の外国人登録を申請した。

四 被告は、一九九二年六月二十四日、原告の親権者に原告の外国人登録証明書交付予定期間指定書を交付した。

五 被告は、一九九二年九月九日、原告の親権者に原告の外国人登録証明書交付予定期間変更指定書を交付した。

六 被告は、一九九二年十月十五日付津市戸第二七号で、原告の親権者に原告の外国人登録申請を却下した。

七 被告が、原告の外国人登録申請を却下した理由とする外国人登録法第十五条二項「外国人と同居する・・・者」の規定は、親権者の申請を排除するものではなく、被告の処分は、同法の解釈の誤りによるものである。

八 原告は、国籍離脱によって住民基本台帳から抹消されたが、被告の法律解釈の誤りによってなされた処分により、外国人登録ができないため、津市で生まれ現実に生活しているにもかかわらず法律上存在していない状況にさらされ、住民としての権利を侵害されている。

九 被告の処分によって、特別永住申請手続きができず、原告の生存が法律で保障されないという不安定な状況においやられている。

十 日本国籍から朝鮮国籍に変更した原告に対して、住民としての権利を保障しようとしない被告の処分は、明らかに日本国籍は朝鮮国籍に優るという民族差別的価値観に基づいている。

十一 被告のこの処分は、憲法第二二条「国籍離脱の自由」の精神を尊重せず、また、難民の地位に関する条約にいう「内外人平等の原則」に、反するものであり、さらにまた、国際人権規約B規約第二四条第一項の「児童の保護の措置」の規定、及び第二項の「登録される権利」の規定に反するものである。

十二  以上のとおり、被告の処分は重大な人権侵害であるから、その取消しを求める。
 
     証拠方法

 訴訟の進行に応じて逐次提出する。

     添付書類

 戸籍謄本   一通

一九九三年一月十一日
   原告法定代理人親権者父    李  在  一

 津地方裁判所  御 中



インデックスに戻る