私の外国人登録原票
先月22日にお伝えしていたとおり,外国人登録原票が12月1日より本人に限り開示されることになりました。というわけで,時事問題というわけではありませんが,本日12月6日午後4時すぎ,私が居住する大阪府茨木市市役所にて外国人登録原票の写しを請求してきましたので,その様子をお伝えします。
窓口で外国人登録原票の写しが欲しい旨申し出ると,担当職員は戸惑ったようすで,まず請求理由をたずねてきました。「確認のためです」とのみ回答すると,「記載内容の確認のためなら外国人登録済証明書で可能だし,原票のコピーを請求すると手続き料などもかかってきますが…」とのこと。手続き料は登録済証明書でも必要なんですがね(^_^;)。
繰り返し原票の写しが欲しいと伝えると,「まだ始まって間がないので申請用の正式な書式が決まっていません。これに必要事項の記入をお願いできますか」と,B5のコピー用紙を渡されました。さらに,外国人登録済証明書の公布申請用紙にも記入を求められました。
私が記入している間,職員一同でどこかに電話をかけて指示をあおったり,議論したりなどと,奇妙に落ち着かないようすが印象的でした。そんなに怖がることはないのにと思うのですが,お役所にはお役所の規範があるのでしょう。
しばらく待たされた後,まだ時間がかかるのかとたずねましたら,「コピーの取り方を問い合わせているところです」という返事がかえってきました。さすがに言葉通りコピーの取り方を聞くはずもありませんので,一部の内容を隠したりせずすべてを開示してよいのかどうか,どこにどういう公印を押すのかなどをたずねていると解釈しました。
私はここで少しのあいだ席を外したのですが,すぐに戻ってみると担当職員一同,すっかり姿を消していました。なんと,みんなでコピーを取りに行っていたのです。そんなたいそうな作業には思えないのですが,まぁ,業務内容を周知するという意図なのでしょう。
自治体によっては,実費(コピー代¥10)のみというところもあるようですが,私の場合,これで\150請求されました。外国人登録済証明書と同じ手数料です。写しを添付していますので,興味のある方はご覧下さい。B4袋とじで両面に印刷されたものが二つ折りになっています。
これを見るかぎり,茨木市では永住権を取得している外国人については指紋を原票とは別に保管しているように思われます。ただ,手続きに妙に時間がかかったので,指紋欄をこっそり伏せたのかもしれないという疑念は残りますが。
原票入力の民間委託を中断へ
先月25日にお伝えしていたとおり,大阪市では,外国人登録原票の電算化入力に際し,外部の委託業者に原票を直接マイクロフィルム撮影させていました。場合によっては,外国人登録原票に指紋や指紋押捺の拒否歴,在監事項(いわゆる前科の記載)などの高度なプライバシー情報が記載されていますので,きわめて重大な人権侵害につながる問題だったわけです。(私の場合は,目的があって外国人登録証明書や外国人登録原票を公開しているわけですが,それでも当然のことながら一部の情報は隠さざるをえません。)
しかしながら,今月1日,大阪市は業者によるマイクロフィルム撮影の中止を決定しました。法務省との協議の結果のようです。
ただ,撮影にあたっては指紋などを隠したという理由で,すでに撮影を終えている分については今後も使用する意向のようです。個人的には指紋を隠したということ自体,どうも信じられないのですが,今後の成り行きによっては破棄するということもありうるでしょう。注意深く見守るとともに,撮影分の破棄にむけて要請を強めていく必要があります。
中古農業機械を朝鮮に寄贈
本日4日,鳥取県の日朝県民会議(議長・吉田達男社会党県本部委員長)は,朝鮮民主主義人民共和国の水害支援のため,県内の農家で使われずに眠っていた耕運機など中古農業機械13台を,政府の第2次コメ支援船に積み込む作業を始めました。
中古農機は,鳥取,岡山両県の農家から集め,両県の農業機械商業協同組合が修理したということです。これらの農業機械は,共和国の対外文化連絡協議会に寄付されます。今回の水害によって,共和国の一部地域では壊滅的な打撃を被っているだけに,同県民会議をはじめとする皆さんの好意は大きな意義を持っていると思われます。
共和国への水害支援の募金などは,北朝鮮水害被災者救援インターネットキャンペーン,AMDA,またはお近くの朝鮮総聯窓口へ。
「慰安婦基金」をめぐって
元従軍慰安婦に対する償いの事業を進める任意団体「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」は,あと「一週間以内には財団法人として発足できる」(同団体理事長)ようです。
8月15日には各紙に一面の広告をうって鳴り物入りでスタートした基金ですが,はや4カ月が過ぎたにもかかわらず,募金総額はこれまでに約7千7百万円にとどまっており,当初目標としていた「10億円」には程遠い状況です。
財団法人化すると,企業などが募金で免税措置を受けることができるため,大口寄付が進むのではないかという期待があるわけです。しかし,そもそも「慰安婦」被害者たちは,お金ではなく謝罪と尊厳を求める意味で「国家補償」を訴えてきたのであって,基金運動はその訴えを無視し,国家としての責任を放棄して断行されたものにすぎません。この「アジア女性基金」は,全日本国民的な謝罪と誠意を間接的に表明できるという意味においてのみ,その存在意義が認められるはずなのですが,これまでの結果はお寒いかぎりです。金額はともあれ,募金件数はわずかに5千余件にすぎないのです。
基金を呼びかけたガイドブックの中には,「国民的な償い」という表現があります。しかし残念ながら,もはや日本は国家としても国民としても,戦時の不法な拉致,誘拐,強姦を反省し償う態度を示していないと判断せざるをえない段階にあるようです。
今月22日,「慰安婦」被害者とその親族一行が来日し,「アジア女性基金」の撤廃を求めて基金事務局を訪れたのですが,事務局にはいる前に,警官隊が入館人数を制限しようとして押し問答になるという一幕がありました。まず,基本的な姿勢として,誠意が感じられないのです。
外国人登録原票を業者がマイクロフィルム撮影
外国人登録原票の電算化入力に際し、大阪市が、外部の委託業者に原票を直接マイクロフィルム撮影させていることが判明しました。外部業者のマイクロフィルム撮影は,すでに今月11日から生野区などで始まっており,大阪市は来年1月まで同様に作業を進めていくとしているそうです。
今月5日の配信ですでにお伝えしているとおり,原票内容のデータ化を外部業者に委託すること自体,プライバシー保護の観点から問題があるため批判が高まっています。そうした批判にこたえるため,法務省は本人の要求があれば原票のコピーを交付するよう方針を転換し,入力用データ作成などの基準を定めた指導通達を各自治体あてに出したということです。通達の内容は,原票の記載事項の電算化処理は原則的に自治体職員が行い,民間業者に委託する場合は,原票の写しをもとに別に入力用データシートを作るなどしたうえ,指示目的以外の使用や第三者への提供を禁ずるなどの六項目とされています。
現在,大阪市がおこなっている処置の問題は,1)原票自体を用いていること,2)複写の手段としてマイクロフィルムを用いていること,3)撮影作業を業者がおこなっていること,の3点です。
1の問題は,外国人登録原票には写真と指紋の欄があるにもかかわらず,それを隠すなどの手続きをへていないということです。2の問題は,マイクロフィルムは情報を劣化させずにいくらでも複写することが可能なため,写真や指紋などが転用可能な状態で外部に流出することがありうるということです。3の問題は,きわめて高度なプライバシー情報が,なんら権限のない業者の手によって閲覧・処理されているということです。法的に守秘義務を負っていない業者が,そういったプライバシー情報を悪用しないという保証も,悪用した場合の保障も,まったく考慮されていないわけです。
プライバシーの権利というのは,元来「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」(東京高裁)と解釈されていましたが,コンピュータの発達による情報化の進展にともなって,「自分に関する情報をみずからコントロールする権利」と認知されるようになりました。外国人登録原票が本人に公開されるようになったのも,こうした配慮からなされた決定です。しかし,みずからコントロールするどころか,あずかり知らない役人と民間業者にいいようにされているというのが日本の現状です。
プライバシーの侵害を事前に防ぐため,問題となる行為の差し止めが認められることがあります。その条件は,「被害者が重大にして著しく回復困難な被害を被るおそれがあるとき」(最高裁)とされています。現在の大阪市の状況は,まさしくこうした条件に符合します。
人種差別撤廃条約2
今月22日の配信でお伝えした人種差別撤廃条約承認の件ですが,もう少し詳しい状況と,既報の誤りが分かりましたので追記します。まず追加の情報ですが,留保条件が付いたのは第四条「人種的優越主義に基づく差別及び煽動の禁止」のみであって,第二条の「当事国の差別撤廃義務」には留保条件は付いていませんでした。したがって,批准すれば日本は人種差別の撤廃と人種間の相互理解のため,法の制定をともなう具体的措置をとる義務が生じるわけです。
法務省と外務省が留保条件をめぐってもめていた内容に第二条が含まれていたというのは私の誤解だったのでしょうか。それとも,両省庁が妥協の末に玉虫色の解釈が可能なかたちで決着したのでしょうか。この条約について,「外務省」(法務省ではありません)が国内法を整備する必要はないと主張していることを考えると,形式的には外務省の主張を汲み,内容的には法務省の主張を通した,というところでしょうか。この件について,詳しい情報をお持ちの方のご連絡をお待ちします。
次に,既報の誤りを訂正します。「この条約は子どもの人権条約などと違って外国人には適用され」ないとお伝えしましたが,これは正確な解釈ではありませんでした。この条約にいう「人種差別」とは,あくまでもあらゆる種類の差別を意味しており,国籍にもとづく差別が許容されるわけではありません。外国人の入居差別,ゴルフ会員権購入の差別などを放置することは,条約違反となります。ただし,在日朝鮮人のような特殊なケースは念頭におかれていないため,国籍にもとづく一定の区別を制限するものではない,ということです。つまり,今のところ,在日朝鮮人の参政権や公務員に就任する権利は「当然の法理」として制約されていますが,そういった制約はこの条約の違反にはならないと解釈されます。詳しくは別項の第一条を参照ください。
さて,第二条に留保条件が付かなかった以上,国内法を整備する必要はないなどという見解は,まず長続きはしないでしょう。在日朝鮮人の問題もありますが,アイヌの民族問題や部落差別など,国籍にもとづく区別だなどという言い訳の通用しない社会的差別が,日本には存在しているからです。といっても,すぐに政府側から自発的に立法措置を含む具体的な対応が提示されることはないでしょう。しかし,民間や地方レベルから,差別を罰する条例や,民族文化を育成するための法案などを築き上げていくことは可能です。日本が人権先進国入りするための足がかりがようやくできつつあるのですから,その芽をつぶしてはなりません。社会的差別は,倫理の問題ではなく犯罪なのです。
別項にて,人種差別撤廃条約の条文を一部抜粋して掲載しておきます。