文部省の朝鮮学校への差別待遇
朝日新聞の速報で以下のような内容の記事が流れてきました。
日本の政府による在日韓朝鮮人への公的な差別は,1980年代に入ってから非常に少なくなりました。ましてや,民族的な弾圧と呼べるようなものは,一般通念とは違って戦後あまり存在しません。かといって,不当な扱いがまったくない,なくなったというわけではありません。差別の典型的な例は年金の問題です(→「日弁連の要望書」)。そして,冷遇どころか弾圧と呼んでも差し支えないようなものの典型例が,民族学校への対処です。
今回の事件ほどあからさまなものでなくとも,たとえば,朝鮮学校の通学路であるにもかかわらず制限速度が50Km/hになっていたり,朝鮮学校出身者が看護学校を卒業し国家試験に通った後になって,「朝鮮学校は学校としてみとめられないから免許は無効」などと主張したり,朝鮮学校への不当な扱いはきりがありません。きりがないというより,さまざまな外堀すべてが朝鮮学校の不利益な形になるように放置されているわけです。そういった不利益の例が一つ二つならば,偶然そうなっているという可能性はあります。しかし,教育に関わる環境のさまざまな部分においてそういった不利益があれば,しかも陳情を受けてすぐにでも改善できるようなものさえ放置されていれば,やはりそれは偶然ではなく「故意」と判断せざるをえないでしょう。すなわち,行政による民族教育への弾圧です。
指定寄付金の差別事件について,各地の朝鮮学校生の父母らのあいだで反発が広がっており,その1人が現在ジュネーブで開催中の国連人権小委員会に参加し,8日の非政府組織(NGO)の発言時間に実情を訴えることになったとのことです。
ここで問題なのは,同じ各種学校の外国人学校でも,いわゆるインターナショナル・スクールや東京韓国学園には指定寄付金が認められている,ということです(注)。つまり,これは文部省による朝鮮学校への明白な差別事件なのですね。加えて,事前協議の内容が報道のとおりならば,文部省の担当官は明らかに朝鮮学校の閉鎖か,少なくとも困窮を望んでいる,ということになります。
【注】
指定寄付金は、学校改築などへの寄付金が寄付者の所得から控除され、企業は損金に算入できる制度。大蔵省が都道府県知事などの意見を参考に承認する。同省告示によると、学校教育法一条に基づく学校(公私立の小中高校など=一条校)のほか、「一条校に相当する内容の教育を行い、その教育を行うことについて相当の理由があると所轄庁が認める」各種学校も、承認が受けられる。(朝日新聞速報より引用)