小学校6年間の教育を終え、中学校へ進学するにあたって、子ども達の自覚が高まる時期なだけに、ていねいな指導が求められます。それまで通名で通していた子ども達とも話して、中学校を前にして、本名で生きることの大切さなどを理解させることも課題の一つです。
具体的には、以下の点に気をつけましょう。
小学校1年生に作成された指導要録に書かれている名前は、1年の担任が記したものであり、本名を名のるのか通名を名のるのかもその当時のものです。以後、通名を通していた生徒が本名を名乗ったり、通名を変更していたりすることがあり、また漢字の文字も、1年時の担任が、誤って書いていることもあります。そして名前のふりがなにおいては、そのほとんどが日本式の発音でかかれているため、小学校から中学校への引き継ぎのさい、正しい名前と読みに改める作業を怠ってはいけません。中学校の担任もまた、正しい名前と読みを、新しい指導要録に記すことに注意しなければなりません。指導要録は、1年担任が記した文字、ふりがなが何年にもわたって正式文書として通用してしまうことや、本名記入についての確認・点検作業が常に、各学年の担任によってでしか行われていないということについて注意しなければなりません。
中学校へは、小学校から3月10日前後に「卒業予定者兼○○中学校入学予定者名簿」と市教委から3月中旬を最期に数回、「修学予定生徒名簿」、4月7日前後に「入学生徒名簿」の3つが届きます。しかしこれらは、管理職や学齢事務担当者のところで止まることがほとんどで、担任や他の教員の目にはふれにくいのが現状です。新1年生の最初の学年職員打ち合わせや、学級編成の際、「入学生徒名簿」という名簿を見て職員全体で、在日韓国・朝鮮人の生徒の存在を知っておくことが必要でしょう。また、これらの名簿の中には、本名にふりがながないものがあることに対して、中学校で書く指導要録には、ふりがなの欄があり、このとき正しい読み方を記す必要があります。また、1年生の担任は、保護者が記入する「家庭環境調査票」などから名前を写すのではなく、指導要録には上記の名簿から写しをとるようにしなければなりません。ただし、学級の名箋などには、本人と保護者の希望する名前でなければなりません。
小中の引継は大切です。小中連絡会の中では必ず在日韓国・朝鮮人の生徒のことにふれ、どういう指導をしてきたか、また保護者や本人がどういう指導を望んでいるかを、十分に話しておくべきです。また、小学校在学中あるいはそれ以前に「帰化」した生徒の情報もあれば、伝えておくべきです。
ただしその背景なども含め、慎重な対応が必要とされます。(P51〜55参照)
中学校でのクラス編成では、在日の子ども達を各クラスに平均化して在籍させるようなことがありますが、それよりもむしろ支える仲間をつけたり、複数の在日韓国・朝鮮人生徒を同一のクラスにする方が教育的配慮となるでしょう。