理系の授業料アップ?

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 内閣が鳴り物入りで設置した教育再生会議ですが、いろいろとナンセンスな提言を頻発するものだから、政府の批判材料になるのはまだしも、ジョークのネタにすらなったりしています。

 同会議では、今年1月29日に初等・中等教育を中心とした第一次報告を出しましたが、来月には高等教育を中心とした第二次報告を取りまとめる予定で審議を重ねています。そこで飛び込んできたのがこのネタ。

「政府の教育再生会議(野依良治座長)の国立大学財政に関する提言素案が13日、判明した。適切な競争原理と成果・実績主義の徹底を基本とし、予算配分に一段とメリハリをつけるのが柱だ。具体的には、現在は全国ほぼ一律の授業料・入学金について、理系を高くして文系を安くするなど、大学や学部別に差をつけることや、60歳以上の教員の給与を段階的に削減することなどを提案している。」(読売オンライン)
 理系は全般的に研究にも教育にも文系とは桁違いに費用がかかりますので、個々の大学の経営判断としては、「理系の授業料を上げる」という方針があっておかしくないとは思います。しかし、これは日本の国立大学全体に影響を与える提言です。委員の皆さんは日本の科学技術の将来についてどのような見識をお持ちなのか、いささか疑わしい気がします。

 理科離れ、理系離れを防ぐことは国民的課題です。1990年代以降はいろいろな対策が活発化し、ようやく成果があがりはじめたかなぁという段階なのですが、この提言素案は完全に逆向きのベクトルを持っています。理系離れ対策はもう必要ないということか? と不思議に思って少し調べてみました。

「素案は、第1分科会(学校再生)の白石真澄主査(関西大教授)と小野元之副主査(元文部科学次官)が作成し、13日の第3分科会で提示した。」(同上)
 第1分科会の素案というのはコレ(pdf)。この素案はバランスの取れた立派なものであって、このどこにも「教育研究水準の高い大学や、設備に費用がかかる医薬学・理工系学部などの授業料・入学金については、他の大学・学部より高くする」(同上)などとは書かれていません。逆に、諸外国に比べて教育への予算支出割合が低いので、「初等中等教育及び高等教予算の大幅な増額を目指すべきであろう。特に、日本の将来のため、高等教育予算の充実がぜひとも必要」とあります。

 どうやら、第1分科会の素案は、第3分科会で議論されたとき、まったく別のものに変質したということですね。まだ議事録がウェブにアップされていないので、はっきりとはわかりませんが。

 ところで、第3部会の事務局からの提案は、うちの学部で検討されている方針とかなり近いですね。

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このページは、mskimが2007年4月16日 10:28に書いたブログ記事です。

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