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▼工学系研究者さん:
>>EU圏外の国籍者の扱いについては、一口に「ヨーロッパの先進国」といってもずいぶん違いがあります。参政権以外にもいろいろな権利を制限している国もありますが、一方で、地方参政権を与えている国も少なくありません。
>
>北欧の国では一部そうだと聞いていますが、多いかと言われると
>多いと言えるのでしょうか?さらに、北欧の国では永住権の取得は
>ほとんど不可能なくらい困難と聞き、さらに永住者の割合は統計的に見ると
>誤差にもならないくらい小さい比率にしかないと聞き及んでいますが。
>知りませんので是非教えていただきたいのですが、
>ちなみにフランス、ドイツ、イギリス、オランダなど、EUをリードする
>国々も参政権を与えているのでしょうか?
「多い」というのは、いったい誰の言葉ですか? ともかく、現時点でEU圏外の国籍者に地方参政権を与えているのは、デンマーク、ノルウェー、オランダ、フィンランド、アイルランドの5カ国と、相互主義を前提にしたスペインの計6カ国です。これらの6カ国では、永住権を持とうが持つまいが、居住年数などの一定の条件を満たせば、誰にでも住民の権利として地方参政権が与えられます。また、フランス、ベルギー、イタリアなどでも参政権付与が検討されています。
なお、ドイツでは長い議論の末、結果として参政権を付与しないことになりましたが、その代わりに二重国籍を認める方向で法改正がなされました。自国の都合で「廉価な労働力」を呼び寄せておいて、自国生まれの二世にさえ住民としての権利を認めないのは許されざる不正義だという結論が出たということです。
私が重要だと思うのは、定住外国人に参政権を与えるかどうかということ(だけ)ではなく、国籍と市民権のズレが不当な人権侵害であるという認識がEUでは一般化しつつあるということです。お分かりですか?
>なにか先生の御意見はまず結論ありきで、その後うまく結論にもっていく為に
>都合の良い一面だけにハイライトをあてながら、他人を説得するように
>感じられます。社会学ではそのような手法をとるのが常識的なのでしょうか?
>これは単なる私の主観に過ぎないのでしょうか?
あなたの主観、というかカンチガイでしょう。まぁ、そう感じるのは勝手ですが。それに、私はあなたを説得しようとは思ってコメントをつけたわけではありません。単純に事実を叙述しただけです。しかも、事実認識が争われているようなことがらではなく、広範なコンセンサスが得られた事実を。
そもそも、私は定住外国人の地方参政権について自分の結論を持っていません。ハン・ワールドの中でも、参政権獲得を訴える内容の文章を書いたことは一度もありません。
>私はむしろ、ヨーロッパ人ほど利己的で計算高い人種はいないと
>思います。そして彼らは自分に不利になるようなことは絶対に
>YESとは言いません。アジア人に比べて遥かに合理的な考え方をしている
>ように見える一方で、彼らは伝統を頑なまでに守ります。
>さらに、人々はステータスというのを自然と意識している
>ようです。先生のご意見はこちらで暮らしていていろいろな国籍をもつ人々と
>交流をもった私の実感からはかなりかけ離れているというのが
>正直な私の感想です。
実際の居住経験とは比べられませんが、私にもヨーロッパに友人はいましてね。研究者中心なので、もちろん彼/彼女らの見解は差し引いて聞いていますが、一方で彼/彼女らの見解を補強するような資料も少なからず目にしています。それもまぁ学会誌に偏ってはいますが。
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