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北方領土、あるいは千島列島全体 ? を北方少数民族を中心とした自治区に
していこうという構想に、特に反対する気はありませんが、米津さんは、その
居住権を備える少数民族を、具体的にどのように考えておられるのでしょう。
と言いますのも、日本と旧ロシア帝国との外交関係において、アイヌ民族
は両国から、日本の準構成員として扱われており、領有権の移り変わりのたび
にロシア領からアイヌ民族の多くは追い出されています。
そのため、現在の千島列島および樺太には、自分はアイヌ民族であるという
自覚を持った住人はいないとされています (現住民の大半は戦後移住してきた
ロシア人またはウクライナ人)。
この状態で、アイヌ民族を中心とした少数民族による自治区を成立させ
ようとすると、新たな居住権の有資格者は総て、現・日本国籍所有者ばかり
になってしまいます。
また、ソ連崩壊に伴う経済破綻で千島列島の住民数は急激に減少しており、
アイヌ人が数千人単位で移住を希望しただけで、現在の住民はマイノリティ
に転じてしまいかねません。
これでは、たとえ日ロ両政府から、ある程度距離を保った自治区であると
称しても、ロシアにとっては事実上、日本に領土を譲るようなものですから、
とても同意してもらえるとは思えないのですが…。
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