OCHA、国連機関の援助活動2
記事番号:5419 (1998年12月27日 03時44分45秒)
投稿者:李在一 (属性:在日朝鮮人)
メールアドレス:fwii2087@mb.infoweb.or.jp
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内容
李在一です。
在日MLからの転載です。
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これまでの合同要請プロセスの報告
財政面の概観
1998年の要請のもとでの必要額は3億8324万2336米ドルであり、そのうち3億4580
万1900米ドル(または90パーセント)は食糧援助のためだった。残余が食糧安全
保障、保健、水供給と下水、調整、そして教育のためであった。1998年11月半ば
の時点で、保証された寄贈額は総必要額の57パーセントに達した。しかし、食糧
援助は、トン単位で見て、その活動分野での総必要量の99.6パーセントに達した。
それは、予想された高額の物品に代わってかなりの量の安価な物品が保証された
という事実のゆえである。年の後半には、かなり多くの新規食糧援助があり、食
糧要請の穀物部分をほぼまかなわせるのにつながった。
資金不足の結果
食糧援助の要請に対する当初の資金不足の全体的影響は、一定の受益者集団を除
外したことであり、このことは、これら集団の間に栄養問題の増加が認められる
ことにつながった。1998年の第3四半期までに要請に対して、60.5パーセントの
食糧援助必要量が保証された。その結果、利用できた食糧は、当初確定した受益
者集団のうちの最も危険にさらされやすい層と、労働維持的食糧(FFW)による復興
活動のみに足りるものだった。食糧援助活動分野では、目標集団の規模を747万人
から430万人に引き下げねばならなかった。かくして、食料援助は第一に、6ヶ月
から6歳までの託児所と幼稚園の子どもらに向けられた。観察によると、このセー
フティ・ネットは機能し、これら子どもたちの健康状態は保護された。その他の
目標集団、つまり小学校、中等学校の子どもたち、入院患者、それに授乳期の母
親の集団に利用できる食糧援助はきわめてわずかだった。その結果、7歳から12
歳の年齢層集団における栄養問題の高まりが認められ、より大きな子どもたちの
間でさえ学校出席が減少した。病院では患者に食糧を供給できないため、入院が
減少した。
村(里)や郡での、また専門病院での基本医薬品や設備の不十分な利用により、
保健サービスに悪影響が出ている。
さらに、保健監視、伝染病や結核の治療や予防活動は、限られた規模でのみ始め
られたようである。地域の医師らによる適応力形成は、栄養的なリハビリに関し
てだけに限られた。
1998農業年の間の経験によれば、農業復興・環境保護計画の目的は達成可能だと
見られる。肥料と他の関連投入物が利用できた地域では、特に二毛作計画を通じ
て、トウモロコシと稲の生産水準は一般に災害前の水準に戻った。肥料の限定的
な適用にもかかわらず、穀物生産は、1998年にはそれ以前の年に経験した衰退と
は逆に回復したと見積られる。
実質面の概観
1998年の要請の主な目的は、食料援助の供給と食糧生産の増大を通じて、広範な
住民の間の飢饉を防止すること、特に子どもたちの間の栄養失調を防ぐこと、そ
れに、当面の公衆衛生問題に対処し、再発している疾患、例えば、結核、小児麻
痺、マラリア、コレラと他の飲用水感染病、百日咳などの疾患の発生を抑え、防
止するための保健制度を援助することだった。
諸目的を達成するために採用された計画
●援助を送り、必要のある非常に多くの人々に届くよう、各郡のより多くの地域
への立ち入りを行なうこと
●より多くのNGOが朝鮮民主主義人民共和国での活動を確立し、優先的な計画を
開始するよう奨励すること
●調整機構を強化して、国際社会の内部でのより効果的な協力と調整を促進する
こと
●国家レベル、地方レベルで政府との関係を強化すること
達成された進歩
飢饉と栄養失調の回避
栄養調査での調査結果によって確認されたように、国際社会によってなされた支
援は、食糧援助を受取った6ヶ月から6歳児の集団の間の飢饉を大いに回避させ
たと信じられる。しかしながら、資金不足の結果、食料援助を受取らなかった他
の意図された目標集団、特に7歳以上の年齢の子どもたちにおいて栄養問題が観
察された。飢餓ははびこり続けている(そして、利用できる証拠が示しているよ
りさらに悪いかもしれない)が、その程度は、特に成人住民については、なお不
明である。政府、UNICEF、WFP、欧州連合による合同の栄養調査の結果は、栄養失
調の深刻な水準と、子どもたちに影響し続ける発育阻止とを示している。
保健
小児麻痺ワクチンが213万人の子どもに行なわれ、はしか対策も実行された。UNICEF
が主導する定期的な調整会議が持たれ、WHOが主導する技術的サブ・グループの調
整会議も持たれた。情報共有と疾患監視の手続きが練り上げられ、実施されてい
る。基本医薬品の供給と末端レベルの保健機構への援助が遂行され、さまざまなNGO、
赤十字(IFRC)、それに国連諸機関の間で責任が分担された。結核抑制計画が(全
体で12の道レベルのうち)3つの道の7つの郡で開始された。ラボ試薬laboratory
reagentsや化学薬品は、限られた規模では利用可能である。
しかしながら、薬品生産を含む朝鮮民主主義人民共和国の保健維持能力は悪化し
ている。一般的な治療は、国連諸機関と赤十字と種々のNGOの介入、および、政府
が設定した優先措置によって、里と郡の両方のレベルで行なわれているが、道レ
ベルの病院では医療行為がなされておらず、そのことは、郡レベルで扱うことが
できず道レベルへ付託する必要のある、より悪化したケースにとって深刻な結果
をもたらしている。また、感冒からの連鎖症状cold-chainに対する支えができず、
結核や小児麻痺のような病気が再発していると見られる。現在の緊急事態の間、
政府は必要な予防措置を取ってはいるが、マラリアや他の飲用水感染病のような
病気が発生する可能性は排除できない。
食糧生産
燃料、肥料、殺虫剤それに他の投入物の欠乏、農地の肥沃度の劣化、農業機械の
損耗、そして農業慣行の続行不能のため、食糧生産の全体的能力は減少した。こ
のことは、引き続く自然災害によって悪化させられた。しかし、二毛作のような
革新策が追加的な能力を生み出し、1998年における食糧供給を増加させた。およ
そ6万5千ヘクタールの面積に及んだ1998年の二毛作計画の遂行は、6月末に約15
万トンの大麦の生産追加をもたらした。それにより食糧不足は収穫のない時期に
緩和された。さらに、主要な夏作物のための農業投入物(肥料や殺虫剤)の供給
は生産増加に寄与した。1998年9月に始まった秋・冬作物の小麦生産への支援は
また、1999年における食糧供給を増加させると予想される。労働維持的食糧を用
いた農村インフラストラクチュア復興は、(災害被害緩和活動、例えば水路修理
や堤防造成を含めた)農業生産増大に寄与した。
立ち入りの確保
朝鮮戦争終結以来、何の平和協定もないことに起因する特殊な警備状況が、立ち
入り調査に影響した。にもかかわらず、政府の対応した機関(水害復興委員会、
国家調整委員会)の側での理解と信頼が増すと共に、1995年に救済活動が開始さ
れて以来、かなりの進歩が見られた。
立ち入りの増加は、より多くの郡でのスタッフの移動の自由が増すことを意味し
た。1997年5月での159の郡に比べて、1998年5月には全211の郡のうち171の郡が
立ち入り可能となった。立ち入りが拡張されていることの他の例は、全国にわた
って5つのWFP地方事務所が設置されたことだった。しかしながら、各道への立ち
入りは変化する傾向があり、1998年後半には立ち入り可能地区が減らされた。視
察者らは、予定外や監督なしの視察を行なうことは認められなかった。査定し、
監視し、効果分析を行なうための、あらかじめ決められていない立ち入り調査が
欠如していることは、適切なデータの欠如と結びついて、統計情報よりもより観
察や推測に基づく結論へと帰結する。
けれども、全国的な食糧・収穫査定における政府(水害復興委員会)の協力と、
栄養調査および多指標集団調査の間に認めれたかつてないほどの立ち入りは、情
報の入手を増進することと、国連システムが朝鮮民主主義人民共和国における人
道的状況を理解するのを前進させる上で政府との協同の努力を拡張することへの
積極的なステップとなった。
参加NGOの増加
1998年初頭には、同国に駐在する5つのNGOが存在した。その数は1998年半ばに最
高11に達し、その後、9月に8つに減った。これはさまざまな要因のせいであっ
た。つまり、住民に直接、アクセスできないこと、ある種のNGOにとってはそれら
の任務を遂行できないこと、また、援助資金が続かなかったことである。もし積
極的なステップが取られなければ、こうした後退傾向は続きうるかもしれない。
そうしたステップの1つは、朝鮮民主主義人民共和国に駐在するヨーロッパ系NGO
を通じて、食糧援助の10パーセントを運ばせようという欧州連合とWFPが合同で提
案した委託である。同時に、その他のNGOの幾つかは、活動地域でかなり立ち入り
調査を成し遂げた。
国際社会の側での協同・調整
人道的調整官の任命と、朝鮮民主主義人民共和国におけるOCHA現地事務所の設置
は、国際社会の側での調整を大いに改善した。このことは、共通人道活動計画の
遂行でさらに強化されるものと予想される。
港湾作業能力の増大
クレーンおよびフォークリフトや港湾での電力確保のための発電機を含むその他
設備を修復するための部品供給によって、膨大な量の食糧援助を取り扱う港湾で
の作業能力は向上した。
強化された政府との関係
1998年後半には一般的に政府との関係が改善された。政府の支援が増大したこと
の根拠は、WFPの地方事務所が設置されたことと、機関と政府の両方が参加するさ
まざまな講習会が組織されたことである。他の事例は、8月にあった洪水の被害
地域への視察が幾つかの機関によって合同で実行されたことだった。同様に、機
関合同の栄養調査とUNICEFの多指標集団調査が計画通り実施することを認められ、
また、FAO・WFPの収穫・食糧供給査定調査団もそうだった。二毛作計画と主要夏
作物の作付け支援のモニタリングは、FAOの技術専門家による何度かの調査によっ
て行なわれた。
引き出された教訓
●飢餓ははびこり続けているが、飢餓に起因する死亡率の状態と傾向は不明であ
る。評価調査団は人道的状況と将来の予測とにより光をあてた。朝鮮民主主義
人民共和国で活動する人道団体は、できるかぎり多くの情報を集めようと努め
ているが、利用できるデータは、現在の規模での人道的活動を正当化するのに
通常必要とされるものよりはるかに少ない。にもかかわらず、朝鮮民主主義人
民共和国における人道的状況は、飢饉状態を防ぐことをねらった救援と、自立
を促進することをねらった長期の支援との両方の意義深い支援を、正当として
いるという国際社会の中でのコンセンサスが存在する。
●食糧確保と健康とは相互に関連しているので、これら両方の領域での計画が補
完的に取り組まれることが重要である。
●立ち入り調査は、正確な査定、モニタリング、それに効果分析にとって相変わ
らず決定的である。
●国家レベルおよび地方レベルの両方での調整が等しく重要であり、いっそう進
展させられることが必要である。
●1995年以来の政府との間の信頼醸成において大きな前進があった(そして、食
糧供給・収穫査定調査団、栄養および多指標調査の実施で情報の質が改善され
た)とはいえ、国際社会の側で、伝えられるそれらに基いて決定がなされうる
ようなデータは、不完全であり続けている。データ収集と分析とを含む技術的
レベルでのより深い関与の必要がある。成人の状況についてのさらなる情報が
必要とされる。不正確な結論に導く、モニタリングにおけるかなりの制約が存
在する。
●朝鮮民主主義人民共和国における特殊な環境を前提として、国連、NGOそれに援
助国は、人道的状況についてのより優れた理解と、供給された援助についての
説明責任とを達成するために支援することに専念するという、人道的原則にのっ
とった一連の同意を確立した。
人道的背景
政治的、経済的、安全保障上の分析、および、制約の分析
朝鮮民主主義人民共和国政府は、その自立(チュチェ)政策を続け、政治的、安
全保障上、および経済政策についての社会主義的アプローチを維持することに専
心したままである。朝鮮民主主義人民共和国は、限られた数の貿易相手だけを持
ち、国際的金融機関にアクセスする立場にない。現在の経済状態は、特に工業部
門と農業部門での必要なインフラストラクチュアを改良するべき一層の必要、引
き続くエネルギーと燃料の不足、食糧と他の必需品を輸入する限られた能力、そ
して、公衆衛生制度の悪化とを反映している。UNDPからの最近の数字によれば、
国内総生産は4年間にほとんど半分に落ち込んだ。すなわち、1992年における208
億米ドルから1996年における106億米ドルにである。この間、同時に進んだ人口増
で、1人当たり所得は1992年における1005米ドルから481米ドルに減少し、人道的
背景にとって深刻な意味を持つ急激な経済的沈滞を反映している。
上記のような諸条件は制約要因として働く。かくして、平和協定の欠如が、同国
の一定地域への立ち入りの制限に帰結するような特殊な警備環境へ導いた。この
ことは、長期にわたって朝鮮民主主義人民共和国に関与することについての援助
側の反応と関心に影響する。ある種の寄贈団体は、救援、復興を援助する用意は
あるものの開発援助ではそうでなくなる一方、他の寄贈団体は、復興援助の用意
はあるものの救済支援ではそうでなくなる。さらに、これらの制約は、アクセス
し、監視し、また、効果分析を行なうためと、朝鮮民主主義人民共和国における
人道的状況に関する情報とデータの水準を向上させるための適切な立ち入り調査
にとっての決定的な意味を持つ。そのうえ、警備と活動上の制約は、援助ワーカー
の大多数にとって輸送と通信を損ない、そのことが次には人員の健康と安全に影
響を及ぼしうるのである。
問題分析、対応と見通し
過去数年にわたる工業および農業での投入の衰退と継続した自然災害とが、厳し
い食糧不足を悪化させ、朝鮮民主主義人民共和国における経済問題を一層複雑に
した。このことは、大規模な食糧輸入と、農業の必要投入物および保健面の投入
物の援助、そして技術的な援助へと導いた。
朝鮮民主主義人民共和国は2001年には食糧を自給するよう計画してはいるものの、
ところがその間、政府は援助と商業ベースの輸入に依存し続けるだろう。こうし
た状況に対応して、食糧と公衆衛生の領域での人道的支援が求められ、それは緊
急かつ復興的な支援と、災害の防止と緩和とが付け加わった適応力構築投入との
組み合わせを含んでいる。
栄養調査(詳細については付録Uを参照)
政府・UNICEF・WFP・欧州委員会人道事務所による合同の栄養調査は1998年の9月
と10月に行なわれた。この調査は6ヶ月から7歳以下の子どもたちの代表サンプ
ルについての栄養状態を評価することが意図され、朝鮮民主主義人民共和国にお
ける子どもたちの栄養状態がなお危機的であることを明らかにした。調査結果に
基いて、以下のような結論と勧告が提出される。
●現在の軽度および重度の栄養失調(衰弱)率は、朝鮮民主主義人民共和国の子
どもらが引き続き食糧不足に苦しんでいることを示している。重度の栄養失調
の子どもは、食事療法プログラムで措置されるべきである。軽度の栄養失調の
子どもは、食事補充プログラムで措置されるべきである。
●介入計画は、最も危険にさらされやすい幼い子どもたちの集団に焦点を合わせ
なければならない。2歳、3歳の男の子たちがより大きな危険状態にある。配
給諸制度は最も大きな必要のある者たちに便益を確保しなければならない。
●地域レベルで見られる水腫の高い発生率は、たんぱく質エネルギーの面での厳
しい栄養失調の存在を示している。これらの子どもたちは、入院と治療のため
に診断されなければならない。
●食糧欠乏以外で栄養失調の一因となっている諸要因が研究されねばならない。
それに応じて、介入計画が適用されうるだろう。
●栄養状態の継続的な査定が重要であり、特に、実行された栄養プログラムを評
価することが重要である。
(つづく)
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