日本経済新聞のウソ記事


記事番号:5435 (1998年12月30日 00時03分28秒)
投稿者:李修二 (属性:在日小おやじ)
 メールアドレス:s-lee@na.rim.or.jp
 ホームページ:http://www.han.org/a/identity

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この記事は[Re2: 北朝鮮への人道的支援とは?]へのコメントです。
この記事には[北朝鮮人道支援 (李修二)]というコメントが投稿されています。

内容

1998年12月25日づけの日本経済新聞は、次のような記事を掲載しました。
ところが、この記事は、真っ赤な「ウソ記事」でしょう。


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北朝鮮向け食糧援助中止

赤十字「国民に渡らず」

国際赤十字社・赤新月社連盟は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への食糧援助
を全面的に中止し、医療品の援助に切り替える。最近の調査で「援助した食糧が
必要な人に配られていないと判断した」(赤十字関係者)ためだ。北朝鮮政府は
国連やNGO(非政府組織)から供与された食糧を国民ではなく軍に配布・備蓄
しているとの疑いを持たれてきた。同連盟の判断が北朝鮮への食糧支援のあり方
に一石を投じるのは確実だ。食糧支援を取引材料に北朝鮮に核開発の放棄を迫る
米国や韓国の姿勢にも影響を与えそうだ。

医療品に切り替え

国際赤十字社・赤新月社連盟の事務局は11月末までに食糧から医療品援助への
切り替えを決めた。近く各国の赤十字社に知らせたうえ、99年1月に聞く理事
会で正式決定する。北朝鮮への援助に熱心だった北欧各国などもこれに賛成して
いるため「理事会を通過するのは確実」(同)という。99年分の援助は食糧の
代わりに医療品を増やし、配布対象先の病院も97−98年の七百ヵ所から千六
百ヵ所に拡大する。食糧と比べ配布先が病院という限定された場所であるため配
給の実態をモニタリング(評価)しやすいためだ。

同連盟は95年から援助を開始し、97年7月以降は総額38億円規模の食糧、
医療品、燃料、越冬物資を支援した。世界食糧計画(WFP)によると、北朝鮮
は年問約百万トンの食糧支援が必要。98年分については10月時点でWFPが
約60万トン、そのほかに同連盟、二国間やNGOによる援助が計約41万トン
あったという。

同連盟が方針を変えたきっかけはアストリッド・ハイベルグ会長ら赤十字関係者
の11月7日から14日までの北朝鮮訪問だ。同会長らは同国政府から一部地域
だけモニタリングする許可を得たが、「食糧が国民に確実に配られているとの確
証は得られなかった」(同)という。これを踏まえ、同連盟事務局は「北朝鮮の
配給の姿勢に変化がない限り、食糧をいくら支援しても餓死は阻止できない。医
療品ならまだ効果が期待できる」と判断した。

北朝鮮は洪水や干ばつなどで90年代半ば以降、厳しい食糧難に直面。中国の北
朝鮮専門家は食糧難によりこの数年間で人口が約二千三百万人がら約二千万人に
減少したと推定している。最近は中国への難民も急増しているが、中国政府は見
つけ次第、北朝鮮に送り返しており、韓国の仏教団体などが中朝国境地帯で難民
に食糧をひそかに配るなどしている。

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上記の記事中、

> 同会長らは同国政府から一部地域だけモニタリングする許可を得たが、「食糧
> が国民に確実に配られているとの確証は得られなかった」(同)という。

ここの文章は、一見、国際赤十字連盟の会長自身が「確証は得られなかった」と
語ったかのごとく書かれていますが、実は“同”という得体の知れない“赤十字
関係者”が語ったことだというのは、誰でもちょっとじっくり文章を読めば分か
ることです。


国際赤十字連盟自体は、日経記事のような姿勢をまったく取っていません。


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Weekly News  13 November 1998(原文は、http://www.ifrc.org/ から)

北朝鮮の飢饉

国際赤十字連盟は、北朝鮮への援助をほぼ倍増させるつもりであると、連盟会長
のアストリッド・ハイベルグ博士による同国への3日間の視察のあと、決定した。
北朝鮮では、食糧と医薬品の援助はまだ是非とも必要だと、ハイベルグ博士は今
週、火曜日の北京での記者会見で語った。「事態は重大だ」とハイベルグ博士は
述べた。「北朝鮮の子どもたちの世代は一生涯の傷を負い、栄養失調が蔓延して
いる。われわれはいっそう深刻な惨事を防ぐため、資源を動員しつづける必要が
ある。」1999年までに、連盟は、北朝鮮の人口の4分の1にあたる500万
人以上の人々に届くよう向けられた医薬品を1609ヵ所の病院や医療診療所に
供給するよう計画している。プログラムは北朝鮮赤十字と共同して実行される。
「いまやもう、国際社会に目を覚ますよう呼びかける時だ」と連盟の災害対策担
当事務次長で、ハイベルグ博士に同行したマルガリータ・ウォールストロムは語
った。「われわれは、飢えと病気のゆえに消耗しつづけている住民に、迅速な意
味のある救援を送りつづけなければならない。」

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これが実際の国際赤十字連盟の方針でしょう。


先の日経の記事は、取材先を“赤十字関係者”と曖昧にぼかしながら、ものすご
く重要な問題について、いい加減で、センセーショナルな報道をねらった「ウソ
記事」だと言わざるを得ません。

単にウソをつくだけでなく、「主語」と「述語」が異なる文章をインチキにくっ
つけたような、程度の低い、悪質な記事だとも言えるでしょう。


韓国での報道では、少なくとも「誰が、何を、語ったか」が、きちんと述べられ
ています。


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韓国・ハンギョレ新聞(日本語訳) 1998年12月27日

[対北支援] 韓赤(大韓赤十字社)、対北食糧支援継続

大韓赤十字社(総裁鄭元植)は、国際赤十字連盟が対北食糧支援を中断することに
したという日本のマスコミ報道と関連し、孤児院と養老院、病院などの施設収容
者のための対北食糧支援は続ける計画だと27日明らかにした。

韓赤(大韓赤十字社)はまた「災害初期の緊急救援という性格の食糧支援は、終ら
せて、北韓住民の保健向上のための医療施設及び医薬品、栄養問題、災害対応計
画等に重点をおいて支援する予定」と付け加えた。

韓赤(大韓赤十字社)はまた「救援食糧が軍部側に流れているという疑惑で、食糧
支援を中断するというのは事実と違う」とし、国際赤十字社連盟のヒガシウラ 
ヒロシ・アジア太平洋地域部長の話を引用し、「連盟(国際赤十字)は食糧の軍
部転用に対して確認しておらず、北韓地域での食糧分配は平壌駐在の連盟代表団
を通じて確認している」と明らかにした。

先に、日本経済新聞は、去る25日、国際赤十字社連盟が対北食糧援助が住民た
ちに配分されていないという最近の調査結果によって、食糧支援を全面中止し、
医療品援助に転換するようにしたと報道した。(李JEHUN記者)

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