Re: 日経の記事について
記事番号:5497 (1999年01月18日 03時55分33秒)
投稿者:李修二 (属性:在日小おやじ)
メールアドレス:s-lee@na.rim.or.jp
ホームページ:http://www.han.org/a/leesooi.html
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この記事は[日本経済新聞のウソ記事]へのコメントです。
この記事には[フランス通信(韓国のスタンス)(2) (李在一)]というコメントが投稿されています。
内容
李修二です。
在日メーリングリストへの投稿記事を、投稿者の承諾を得て、
こちらにも転載します。
---------------- Original message follows ----------------
From: Kawasima Takane
To: zainichi@cup.com (zainichi ML)
Date: Thu, 14 Jan 99 15:25:09 +0900
Subject: [zainichi:08298] 日経の記事について
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みなさん、こんにちは。川島です。
日経新聞12月25日付けの記事「北朝鮮向け食料援助中止」
について、本日、日本赤十字社に電話で問い合わせをしました。
この記事は、○○さんが投稿し、その後李修二さんが「捏造か?」
として反証したものです。
詳しくは投稿番号8120が参考になります。また、○○・○○○○
さんによる日経報道は「事実と違う」との韓国ハンギョレ新聞の記
事(投稿番号8127)も参考になります。
電話越しの職場の雰囲気が、本当に忙しそうだったにもかかわら
ず、日赤国際部の職員の方は、当方の素朴な質問に大変丁寧に答え
ていただきました。
電話インタビューの冒頭、記事で書かれていたようなことを理由
として「食糧援助」を中止するのではないと断言し、「我々にとっ
て不本意」と言っていました。
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質問 あの記事に対する印象?
驚いた。また、「我々にとって心外な記事」。
質問 あの記事への反響は?
当日で、韓国赤十字を含め10件に満たない程度の問い合わ
せであった。しかし、直ぐに年末年始の休みとなったのでその
間の問い合わせについては不明。
質問 日本赤十字としての同記事に対する対応は?
報道直後、すぐにジュネーブの本部に連絡。国際赤十字本部
は日経に「このような主旨で中止したのではない」と通告(抗
議)した。日赤としては日経の担当記者と連絡をとり、一度会
って話をしたそうです。取材源、つまり、この記事で言うとこ
ろの「赤十字関係者」とは誰か?、について、記者は明かすこ
とはできないと解答した。日赤としては今後も記者との連絡を
とる予定。
質問 訂正記事等の要請はしないのか?
考えていない。しかし、日経に赤十字の方針を説明し、よく
理解してもらうように努めたい。
質問 同記事にRENKの写真が掲載されていたが、赤十字とRE
NKとの間で、支援事業についてなんらかの連携・協力関係
が現地でとられているのか?
「全く関係ない」(キッパリと)
ああいう写真掲載のされかたをしRENKの方もさぞ憤って
いるのではないでしょうか?(川島)
質問 実際問題として、配給した食糧が軍部などに流れているとい
うことはないのか?。
「(実際に現地に行ってみて)そのようなことは全く感じて
ない」。私自身、今までカンボシアなど多くの地域でこのよう
な援助活動に携わってきたが、北朝鮮での赤十字による食糧支
援配給について、まとまった量の食糧が軍に流れているなどと
いうことは考えられない。
質問 配給機構、配給の実際の手順等はどうなっているの?
配給の流れは、概ね次のよう。
各配給拠点は各国赤十字・国際赤十字で管理
→北朝鮮赤十字と北朝鮮の行政職員が加わったスタッフによ
り各村・部落にトラックで搬入
→各個人へ=受け取った人は受領書に署名若しくは押印
食糧を各拠点から搬出する段階で、当該配付先の人の数にあ
わせた量を出している模様。当人がいなければ、受領書のサイ
ンが得られないので配布しない。つまり、北朝鮮の赤十字が配
布に行っても、トラックが常にカラになって帰ってくるわけで
はない。このことは確実に人々の手に渡らないのであれば、配
給しないとの一つの証ではないかと思う(川島)。
質問 モニタリングはどのようにして行っているの?
配給地域で、各戸をまわり−勿論、全戸というわけではない
だろうが−、一番最近の食糧援助配給は何時だったか、どのく
らいの量だったのか、といった質問により、配給実施の「ウラ
取り」をしている。よって、配給の横流しといった疑惑・不正
は「余りない」し、大規模な横流しなどは「考えられない」。
質問 食料援助の効果について様々な憶測(軍に流れている等)が
あるが、こうした憶測を払拭するためにも、例えば、配給地
域における健康診断、体重測定などをし、住民の健康の向上
していることを広報してみては?
当然、向上はわずかだろうが、それでも、少なくとも配給を
受けている地域の人々は、ないよりははるかにましなのだから、
すこしはその効果を確認できるデータがとれるだろうと思って
提案してみたら.....
(職員の方は、この提案には苦笑し)配給量は一人につき、
一回200グラム。成人の必要量が一日450グラムなので、
十分とは言えない。しかし、援助物資の絶対量が不足している
ので薄く広く配給するしかない。また、様々な理由から(運搬
手段等の困難を言っていると思う)、遅配となることもあるの
で、この程度の援助で、体力向上を確認できるようなデータが
でるとは思えない。
「(配給地域の住民に)聞いてみると『最後にモチを食べた
のは2ヶ月前』とか、『肉を食べたのは8月だった』と答えて
おり、みんなカツカツで生きているんですよ」。
また、そのような地域的な健康調査を北朝鮮の側がなかなか、
受け入れないのではないだろうか?。
最後に、赤十字は大きな団体ですが、広報は官僚的ではだめと思
い、以下の提案をしました
イラクの空爆以降、北朝鮮に対する日本の国民・報道の興味関心は
専ら、安全保障、軍事的緊張関係に集中してしまい、食糧危機に対す
る関心が日々薄れていっているように思う。やはり、赤十字の側でも
何らかの、広報の工夫が必要ではないか?
その際、数値的な客観的、合理的、実証的データというものは玄人
受けはしても、素人には余りインパクトがない。これは私が大学棟で
講義していても、データの紹介、分析の仕方などに終始していると学
生の反応は鈍くなるものです。やはり、現場での人の話、実際に現場
で動いたらこんなことがあった、といったような現場と聞き手の目線
が同次元になるような「物語」的なレポートが少ないと、実感が湧い
てこない。勿論そう言う話は、一個人の限られた見聞に過ぎないので、
客観的・科学的とは言えないが、数値データ等と組み合わせることで、
世論を喚起するのに有効な広報となるでしょう。難しい点もあるとは
思いますが。
私も、かねてから北朝鮮への国際的な機関による食料援助については
軍に転用されているのではないかという疑念を持っていたが、今回、
李修二さんの反証の指摘を受け、自分自身で確かめてみることで、北朝
鮮食糧援助に対する見方と、日本の報道のありかたについて、根本的に
考え直すことにした。
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