アメリカの経済封鎖政策の罪
記事番号:1033 (1999年04月15日 08時10分03秒)
投稿者:Yongil Son (属性:在日)
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この記事は[北朝鮮の人道情勢]へのコメントです。
内容
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この投稿は、朝鮮民主主義人民共和国における食糧難問題について、まった
く不十分な日本のマスコミ報道をおぎない、もっとも信頼できると思われる情
報を紹介することを目的としています。
そこで、さまざまな政治的評価を別にして、純粋に人道的な観点から私たち
にいったい何ができるかを考えてゆくうえで多少とも参考にしていただければ
さいわいです。
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As the US maintains economic blockade
A human catastrophe unfolds in North Korea
アメリカが経済封鎖を維持するがゆえに、北朝鮮での大惨事が展開する
http://www.wsws.org/articles/1999/apr1999/kor-a07.shtml
ピーター・サイモン
1999年4月7日
国際メディアは、明確な政治目的から、コソボの難民たちの窮状に興味を集中さ
せているが、世界の他の場所、特に北朝鮮での人道的大惨事には、ほとんど、あ
るいは、まったく関心を集中させていない。そこでは、経済封鎖を含むアメリカ
の諸政策が、連続して4年目の深刻な食糧不足、広範な栄養失調、そして飢餓状
態に直接、寄与している。
北朝鮮への国連世界食糧計画の調整官、デービッド・モートンは、「われわれは
今、1年のうちもっとも困難な数ヶ月を迎えようとしている」と先週、警告した。
政府の基本穀物在庫は次の2ヶ月以内に枯渇しそうであり、次の夏作物が収穫さ
れるまで補充されないだろう。「5月、6月に北朝鮮の人々は、自分たちのどん
な対処の方法を講じてでも生きのびなければならなくなっているだろう」と彼は
述べた。
およそ2100万の住民の多くは、代用食品、つまりトウモロコシやキャベツの茎や、
穀物といっしょにすり潰した草から作られたケーキや麺類にか、あるいは、野生
の木の根や草の葉をあさり回ることに頼らねばならなくなるだろう。援助のある
部分は、最も必要としている者たち、つまり保育園や幼稚園の幼い子どもたち、
妊娠中か授乳中の母親たち、それに老人たちのために国連世界食糧計画を通じて
流されている。「われわれは、子どもたちの世代を生かしてはいる。しかし、こ
れは単に維持する活動だ」とモートンは語った。
さまざまな評価によれば、1995年以来、進行中の飢饉の結果として直接には 200
万人までの人々が亡くなった。昨年、アメリカ人口調査局は 100万人以上の数字
を提示し、他方、韓国の情報機関はより多い死者数、つまり過去4年間、毎年50
万人と見積もった。北朝鮮の政権は飢饉がそのような莫大な死者数をもたらした
ことを繰り返し否定してきたが、政権自身のいかなる公式統計も発表していない。
援助ワーカーたち、訪問した政治家たち、それに中国へ国境を越えて脱出してく
る北朝鮮の難民たちはみな、惨事について悲惨な数々の話をした。10万人と見積
もられる北朝鮮の人々が中国で隠れて生活しており、その多くは国境地帯に住む
朝鮮族の助けに頼っている。援助ワーカーらによれば、北朝鮮の女性のある者た
ちは花嫁商人に売られ、あるいは、最後には売春婦にさせられる。難民らが中国
自体の社会危機をひどくさせることを恐れて、北京は、北朝鮮の人々をかくまっ
た場合、600米ドルというかなりの罰金を課すことで出国を止めようと試みてきた。
先週の連合通信の報道には、中国に忍び込んで金と食料と薬を手に入れて家族の
もとへ持ち帰ろうと考えた元兵士の話があった。彼の妻は妊娠中絶ののち病気に
なり、11歳の息子は足にただれた傷があり、そして6歳の息子はすり潰した樹皮
から作られた固いパンを食べて大量出血した。「私は食べられない。食べ物を見
るといつもすぐ、目の前で私の子どもたちが泣いて、死にかかっているのが目に
浮かぶ。そういうのは、私の子どもだけじゃない。誰の子も死ぬほど飢えてるし、
死ぬほど凍えているんだ」と、彼は語った。
北朝鮮は食糧だけでなく、基本医薬品、電力、燃料、それにまた、同国の古くな
った工業や輸送のインフラのための予備部品や機械の不足にも直面している。5
歳以下の 200万人もの子どもたちが、必要なワクチンを生産する工場の閉鎖のた
め、免疫を与えられていない。アメリカ下院議員のトニー・ホールは、昨年、北
朝鮮を視察し、4ヶ所の病院を訪れたのだが、外科医が電灯も麻酔もなしで胃の
手術をする間、助手らに抑えつけられていた患者のことを描写している。
国連の2つの報告書
昨年11月に公表された国連の2つの報告書は、経済的、社会的崩壊を経験してい
るこの国の様子を描いている。世界食糧計画(WFP)、ユニセフ、それに欧州
連合による北朝鮮の栄養調査は、急性の栄養失調、つまり衰弱している者の率が
16パーセントであることを見出したが、これは、カンボジア、ラオス、それにヴェ
トナムを含む東アジアのどの国よりも高い数字である。適切な栄養が与えられな
ければ、身体的、知的成長が永久に損なわれうる時期である12ヶ月から24ヶ月の
年齢層では、これが30パーセントという高率になることが判明した。
慢性的な栄養失調、つまり発育不全は、調査された子どもたちの約62パーセント
に影響を及ぼしている。「このことは栄養のある食物が長期間欠乏していたこと
の影響を示している。北朝鮮の場合、このことは明らかにこれらの子どもたちが
数年間にわたる不十分な食料摂取に苦しんできたことを意味している」とWFP
は特筆した。調査はまた、不十分な食料の影響は、汚染された水道と、下痢、肺
感染症、それに免疫不全といった病気の蔓延とでいっそう悪化させられたことを
見出した。
この危機は、もっとずっと悪化していたかもしれなかった。「栄養失調率は非常
に高いことが分かったという事実にもかかわらず、われわれはもし食糧援助がな
かったならば状況は破滅的だったかもしれないと信ずるべき理由がある。種々さ
まざまな観察者、WFPの食糧モニターたち、同国に駐在するNGOスタッフ、
訪問者たち、これらの者はみな、保育園や幼稚園などの子どもたちの状態はここ
1年の間に改善してきたと認めた」と報告書は論評した。
2つ目の、WFPとFAOによる報告書は、北朝鮮の昨年の食糧供給を査定し、
今年の慢性的な食糧不足を警告した。見積もられた1998年の穀物生産 348万トン
は、1997年のひどく落ち込んだ作物 266万トンを超えてかなりの改善とはいえ、
北朝鮮は1998─99農業年になお 100万トン以上の食糧援助を必要とすることを調
査は示した。昨年11月現在では、わずか36万トンの食糧援助しか保証されていな
かった。
北朝鮮は一連の自然災害、つまり1995年と1996年に広範な洪水、そして1997年に
津波と過去数十年で最もひどい干ばつに襲われた。気候は昨年、たいていの地域
で通常に戻ったが、東海岸では約3万ヘクタールの作付け面積に被害を及ぼした
地域的な洪水が起こった。
しかし、WFPおよびFAOの報告書が明らかにしているように、こうした破滅
は同国の経済危機によってかなり悪化させられた。東ヨーロッパおよび旧ソビエ
ト連邦におけるスターリン主義政権の崩壊に続いて、北朝鮮の市場と、機械、部
品、それに石油のような原料の供給へのアクセスはほとんど枯渇した。ある見積
もりによると、1人あたり国内総生産は、1991年と1996年の間に1000ドルから
500ドルへ急落した。
かつて、北朝鮮は比較的高い工業化水準を有し、灌漑、人工の肥料と殺虫剤、電
化と機械化を通じて農業生産を増大させた。人口の30パーセントだけが農業に従
事していた。今や工業の崩壊で、同国は原始的な生産方法に逆戻りしている。韓
国の諜報報告によれば、ピョンヤン政権は、多くの工場が操業停止している都市
部から200万人に及ぶ住民を筋肉労働を供給するため農村部へ送り出している。
WFPおよびFAOの報告書は、経済的衰退の農業生産への影響を詳述した。
「朝鮮民主主義人民共和国にある3つの肥料工場全体で窒素肥料を40万トン以
上生産でき、それは肥料の自給に十分な量である。しかし、設備の老朽化、不
十分なメンテナンス、予備部品の欠乏や原料の不足、とくに石油の不足によっ
て、これら工場の操業はひどく抑制されている。…含有養分量の点でみれば、
1998年の使用は1989年の水準のわずか18パーセントほどにすぎなかった。」
「この国の灌漑システムにおいては、エネルギーが決定的な要因である。主要
な水路とため池にポンプで水を流し込まなければならない。しかし、利用でき
る燃料が減りつつある。そのうえ、水路とポンプ場の状態が自然災害のために
どこもひどい状態になりつつある。また、ポンプ場と送水管については、どこ
も予備部品がなく、ひどいメンテナンスの状態にある。調査団は、水を流し込
む時間、ゆえに水田への灌漑水の供給がいちじるしく減っているのを知った。」
「高度に機械化された朝鮮民主主義人民共和国の農業は、農業機械や農機具の
動力のおよそ5分の4が老朽化と予備部品や燃料の不足で用いられないために、
深刻な制約に直面している。フィールド調査のあいだ、調査団は、たくさんの
トラクター、田植え機、トラック、それに他の農業機械が使われないか、使え
ないで放置してあるのを見た。実際、トラックが使えないため、刈り取られた
稲が長い期間、たとえば3週間以上も田に積み上げられたままにしてあった。
そうすると、収穫後の損失が大きくなるのである。」
機械類の破損は、替わりに、またわずかしかない役畜と、人間労働が用いられる
ことになるということを意味した。昨年、燃料が非常に不足したため同国の稲田
の90パーセントが夏の収穫後、耕されなかった。通常の慣行では、雑草や害虫を
抑えるために耕すのが慣わしだった。人工殺虫剤もまた欠乏している。
アメリカの政策が食糧危機を悪化させる
北朝鮮における悪化している経済的破滅は、アメリカ政府によって、ピョンヤン
のスターリン主義政権を崩壊させる手段として意図的に悪化させられている。ワ
シントンにおける支配的なサークルでは、ロシア、中国、日本に隣接する戦略的
に鍵となる地域でのアメリカの利益を促進するために北朝鮮で展開している人道
的惨事をどう利用するかという最良の手段に関して、ここ10年、論争が繰り広げ
られてきた。
先月、アメリカ下院に提示されたリチャード・アーミテージ元国防次官補による
報告書は、行われている論争の雰囲気を垣間見せている。アーミテージはクリン
トン政権のアプローチに批判的である。クリントン政権のアプローチは、北朝鮮
に「ソフト・ランディング」を強いる経済的、政治的圧力を維持するものである。
つまり「ソフト・ランディング」とは、同国の市場改革と軍事能力の解除という
開放政策であると共に、同時に経済的崩壊と軍事的攻撃である「ハード・ランディ
ング」を避けることである。
アーミデージと議会共和党の批判の核心は、北朝鮮の原子炉を査察のため公開し
ろという一連のきわめて挑発的なアメリカの要求のあと、アメリカと北朝鮮との
間で1994年に取り決められた取り引きについてである。この協定に基づいて、新
たに代替の軽水炉を建設する上での限定的な援助や支援と引き換えに、ピョンヤ
ンはその既存の核計画を閉鎖した。軽水炉は、兵器転用できる核燃料を生産でき
る可能性をほとんど持たないのである。
北朝鮮政権にその核・ミサイル計画に関して、強いて譲歩させるための脅しの1
つの形として、経済援助を用いているというのは繰り返し否定しているものの、
クリントン政権は北朝鮮に対する経済封鎖を維持し、そして、食糧援助のいかな
る上積みをもピョンヤンとの交渉と密接に連動させている。3月におけるアメリ
カの食糧援助のいちばん最近の上積みは、北朝鮮の地下建設地の査察を認めるの
にピョンヤンが同意したのちわずか数週間後に起こった。その地下建設地は、核
兵器計画を再開するのに用いられている可能性があるとアメリカは主張した。
クリントンの批判者らは、北朝鮮に対してもっと強硬な経済的、軍事的方策を要
求している。昨年、議会共和党は、1994年協定に基づいてアメリカによって供与
される限られた燃料供給物に対してさえ、そのための資金支出を妨害しようと脅
した。彼らは、食糧を含むいかなる援助も北朝鮮の軍部に流れ込ませていると主
張することで、その脅しを正当化しようと試みた。しかし、WFP職員のデービッ
ド・モートンが明らかにしたように、国連のモニターたちは、学校や病院がそれ
らへの割り当てを受け取ったかどうかを確認するため、援助が供与されたあらゆ
る地域を訪問することができる。「われわれが確かめたことから、われわれは、
彼らが食糧を得ていると信じる」と彼は述べた。
アーミテージの報告書は、クリントン政権のアプローチをあざ笑い、次のように
論評している。「その政権が、何か根本的な市場志向の改革を考慮しているとい
う兆候もまた見られない。その代わり、必要に迫られて、地域レベルで食糧不足
を緩和するためや、外貨を得るためのささやかな改革を周辺で実験している。中
国の援助と、さまざまな外貨計画、つまり、ミサイル輸出、通貨偽造、麻薬取り
引き、領空航行権の売り渡しといったもので、その政権は最小限、都市部を機能
させつづけることができている。どう見ても、その政権は無期限によろめきなが
ら立ち続けうるようである。」
明確に述べられてはいないものの、引き出されうる唯一の結論は、その報告書が
ピョンヤン政権の経済的、政治的危機をいっそう高めることを狙った政策を唱え
ているということである。アーミテージは、韓国におけるアメリカの軍事力を増
強すること、その地域に迎撃ミサイルを配置すること、そして、北朝鮮による
「容認できない行動」へのアメリカの軍事対応のアウトラインを示す最後通牒を
通告しておくこと、といった一連の挑発的な軍事手段を求めている。その報告書
は、限定された食糧と医療の援助の継続的な供与というものを、「その経済を市
場の力に開放する」北朝鮮のステップに結び付けている。
北朝鮮では多大な人間的悲劇がすでに起こっていることは明らかであり、また、
アメリカがその国への包囲作戦を維持している間、それが持続することも確かで
ある。
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