Re: 犯罪白書の読み方


記事番号:1663 (19100年04月28日 00時28分14秒)
投稿者:韓基徳 (属性:在日コリアン)
 メールアドレス:gideok@ma4.justnet.ne.jp

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この記事は[犯罪白書の読み方]へのコメントです。
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内容

>警察白書と犯罪白書となぜ内容が違うのかって、数字の値のことですか?。
>
>だったら当然でしょう。犯罪白書にある数値は逮捕された人数ではなく、
>検察庁終局処理人員つまり、送検された被疑者を起訴するか、不起訴
>(起訴猶予を含む)にするか、最終決定をした人数ですから。

 犯罪白書にも検挙件数や検挙人員についての統計があります。

>さらに付け加えると、犯罪白書は法務省法務総合研究所の編集であり、
>警察白書は警察庁編集ですから。

 そうですね。

>平成10年度版犯罪白書(9年度統計)によれば、
>
>全終局処理人員  361,029
>外国人       21,351
>来日外国人     16,079
>
>この値から国籍別終局処理人員を求めると
>
>日本人          339,678
>来日外国人以外の外国人     5,272
>来日外国人             16,079
>
>この値から人口千人あたりの終局処理、比率を算出すると
>
>日本人           2.8人
>来日外国人以外の外国人   7.5人
>来日外国人         分母が不明のため計算不能。
>
>注1)来日外国人とは外国人のうち永住者、特別永住者、在日米軍関係者
>  および在留資格不明者、以外の者をいう。
>注2)来日外国人以外の外国人の人数を70万人と推定。
>
>平成9年度における外国人被疑事件数は、前年より14.1%増加、
>そのうちち来日外国人によるものは,20.8%贈加。以上95/96頁参照。

 私が図書館で見たのは、平成11年版の警察白書と犯罪白書です。
 警察白書は「国境を越える犯罪との闘い」とサブタイトルが大きく出ていて、
冒頭54Pもの分量で外国人犯罪について特集しています。ちなみに少年犯罪に
ついては14P、銃器・薬物については12P、暴力団については18P、最近
深刻化している警察不祥事、公務員の不祥事については記述がありません。
 ちょっと数字をメモしてみたのですが、

          来日外国人  在日外国人   全体        少年
刑法犯検挙人数    5,382人   4,866人   324,263人  157,385人
 内凶悪犯罪      251人     メモワスレ     6,949人   2,197人

 一般に外国人の犯罪の数が多い統計がありますが、それは特別法犯について含め
ているからです。外国人の場合にその圧倒的部分は入管法・外登法違反が占めてい
ます。これについては今回の石原発言「凶悪犯罪」とは無縁ですので、犯罪統計に
入れるのはフェアではありません。
 さて、私自身が本当に深刻に思ったのは、少年犯罪の異常な高さのほうです。
 犯罪白書のほうで戦後の統計が出てしたのですが、少年犯罪は昭和40年代に入っ
て減少していきますが、今でもこんなに多いのです。
 ちなみに、昭和36年の統計を少しメモりました。

  殺人 448人  強盗 2,442人  暴行 11,490人  傷害 17,197人
  脅迫 982人  恐喝 14,834人  強姦 4,224人  放火 694人

 犯罪の背景には、一般に貧困と無知があると言います。当時の日本が貧しく、少年
のおかれていた環境が劣悪だったのだと思います。
 これは「不法入国」の外国人にもいえることだと思います。「不法入国」という
のはでもあまり正確ではありませんね。圧倒的に多いのは、「オーバーステイ」つま
り「超過滞在」だからです。
 
 どのような視点でこの問題を捉えるべきかということが問われていますね。日本
はバブル期、たくさんの外国人労働者を必要としていました。ちょうど1930年代の
日本と同じですね。当時は朝鮮半島からたくさんの朝鮮人が「日本人」としてやっ
てきたわけです。80年代末に入管法の改正があって、日系人については労働者として
日本で働いてよろしいという法改正も行ったぐらいです。その後バブルがはじけま
した。彼らは職を失うことになりました。つまり貧困がやってきたわけです。
 でも依然として日本に対する外国人労働者入国圧力は弱まってはいません。なぜ
でしょうか。「職」があるからです。一般に3Kと呼ばれている「職」です。日本人
がその「職」に就きたがっているのならこのような圧力は弱まるに違いないのです
が、現実はそうではないようです。なんといいましても、日本の多岐にわたる企業が
彼らを雇っている現実があるのですから。政府は入管法を改「正」して超過滞在の
外国人を減らそうといろいろ努力して向きもありますが、現実はジレンマに陥って
いると見るべきでしょう。
 しかし、この不況は3K業界にとっても深刻です。彼らも安泰ではいられないの
です。貧困と隣りあわせなのです。
 ならば自分の国に帰れ、と言う人が現れますが、本当にそれでいいのですか?
 今は昔ですが、「山谷ブルース」という歌がありました。「だけど、俺たちいなく
なりゃぁ、ビルも道路もできゃしねぇ」ひょっとしてご存知でしょうか。
今超過滞在の外国人が日本からいなくなったらと想像してみてください。日本はあっ
という間に立ち行かなくなるに違いありません。 
 このようなことはいわば「先進国病」でして、アメリカもヨーロッパ諸国も経験
しています。ドイツでは、トルコ人を始めとした外国人労働者が若年労働者の職を奪
っているという、事実を無視した民族排外的扇動のもとにネオナチが誕生しました
し、フランスや今問題になっているオーストリアも同様です。ではどう解決していこ
うとしているのでしょうか。
 ドイツは、トルコ人たちにドイツ国籍を与え、トルコ国籍との二重国籍を認める
こととしました。フランスは、非正規滞在者に対するアムネスティを二度にわたって
行いました。81年に13万人、97年に8万人です。つまり正規の在留資格が与えられ
たのです。ちなみにドイツもフランスも国籍法は血統主義です。
 アメリカの場合は国籍法が生地主義ですし、滞在実績にもとずいてグリーンカー
ドが与えられることは承知の通りです。
 「帰れ」というのはいかにも世界の常識から外れた対応であることがおわかりい
ただけると思います。
 日本政府が今行うべきことは、フランス又はドイツに習うことです。
 
(ちなみに介護保険はドイツの例を真似たように思われがちですが、あれは内容に
おいて相当違いますし、またドイツは失敗したというのが常識となりつつあります。
 どうしてあんなの導入したのかしらん?簡単です。「国民」から「税」を巻き上
げるためです。横道それました。失礼!

 今回の石原発言は「不法入国」(非正規滞在)に対する偏見や差別をあおったと
いうのは、衆目の一致するところです。この際、彼が意図的であったかどうかの議論
は抜いてもです。石原知事発言に対する支持は、まさに「内容」に対する支持であっ
たわけですが、これは、「先進国病」についての理解、ヨーロッパ諸国での対応につ
いての理解、日本の労働市場の現実についての理解、、、などを欠いたとしかいえ
ません。
 ヨーロッパ社会においては、ネオナチと言われている極右集団と並べられること
は間違いありませんし、事実そのような報道になっているようです。

 さて、犯罪白書ですが、例えば凶悪犯罪の項目を見ても外国人をわざわざ記述し
ていません。その他の刑法犯、特別法犯についても同様です。外国人の犯罪動向につ
いての記述は項目を立ててあり、それもとても冷静なもののように感じました。
 警察白書には、「不法入国者が犯罪の温床になっている。」などと何の躊躇もなく
書いてあります。その際立った違いを私は指摘しました。

 さて、私は日本に住んでいるものですから、日本の治安が悪くなるというのは
本当に困ります。これは普通の日本人もそう思っていますし、実は、非正規滞在の
外国人も同様です。犯罪はどんどん厳しく取り締まっていただきたいものです。
 国籍は関係ありません。正規であるか非正規であるかも関係ありません。
 来日外国人の犯罪に暴力団が深くかかわっているのは承知のとおりですし、こ
れは少年犯罪にも言えることです。例えばイラン人の薬物犯検挙者が多いのですが、
彼らは承知のとおり末端の売人に過ぎません。元締めは誰なのかも承知の通りです。
 私は、日本の警察がしっかりやってくれることを切に祈るものです。


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