1997/05/16 外務委員会にて
記事番号:1922 (19100年05月17日 19時27分49秒)
投稿者:dai (属性:??)
メールアドレス:123dadada@geocities.com
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この記事は[拉致問題 日本政府の見解とは?]へのコメントです。
内容
140回-衆-外務委員会-14号 1997/05/16
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○安倍(晋)委員 ただいまの質問は通告をしていなかったわけでございますが、
こうした着実な前進に対する外務大臣初め外務省の御努力に対して、本当に敬意
を表する次第でございます。
この日本人妻以外に、ただいま大臣もお触れになったわけでございますが、政
府が公式に認めているだけで七件十人の日本人が拉致をされているわけでござい
ます。私は、十人だけではない、もっと多くの人数が恐らく拉致をされているん
だ、こういうふうに思います。
最近の報道によりますと、我が国以外で、レバノンで一九七八年に数名の女性
が拉致をされた。しかし、当時は国交がなかったレバノンが努力をした成果として、
一年数カ月後にはその人たちがレバノンに戻ってきた、取り戻すことに成功した
という報道もございます。
もしこれが事実とすれば、我が国も今国交がないわけでございますが、あらゆ
る手段を使って、例えば食糧問題等の人道援助も絡めていくのは私は当然である
と思っております。少女を初め、我が国政府が当然守らなければいけない人命と
人権がまさに侵害をされてしまったわけでありますが、これに対して政府が何も
できない、これは国家としての義務を放棄しているに等しい、このように思うわ
けであります。そういう意味では、あらゆる手段、人道問題とはいえ食糧援助の
問題が絡んでくるのは私は当然ではないか、こんなようにも思うわけであります。
このレバノンの件について、外務省が承知をしておられるかどうか、わかる範
囲でお答えをいただきたいと思います。
○登政府委員 まず初めに、この件につきましては、私どももレバノンの新聞報
道によりまして承知しております。その事実は、ただいま安倍先生の方から御指
摘のあったとおりでございますので、ここで改めて詳細を繰り返す必要はないか
と存じます。
この事件が報道されましたのは一九七九年でございまして、この事件が起きた
のはその前年の七八年、今から十九年前でございます。その当時、レバノンは内
戦で大変な混乱状況にございまして、私ども、この新聞報道以外の点はよく承知
しておりません。
最近になりまして、改めてこの件につきましてレバノン側に照会を行っている
ところでございますけれども、レバノン外務省の説明によりましても、この事件
は既に二十年近く前の件でございまして、その間にレバノンの内戦によってレバ
ノン外務省も再三移転して、外交文書も紛失してしまっているということから、
よくわからないけれども日本側がこの問題を重視していることはよく理解するの
で、できる限り調べてみようというふうにレバノン側は言っておりますので、今、
外務省といたしましても、レバノン側の調査の結果を待っている、そういう状況
でございます。
○安倍(晋)委員 この拉致疑惑については、もう既に随分前から世の中ではそ
ういううわさはありました。また、私の父の支援者のお嬢さん、有本恵子さんと
いう方も実は拉致をされているわけであります。そのことは早くから知っていた
わけでございますが、残念ながら、今までマスコミもこのことは取り上げてこな
かったというのも事実でございますし、また政府全体としても正面から取り上げ
てこなかったのもそれは事実であると私は思います。
特に私は、マスコミの態度は大きな問題であったと思います。例えば、五月十日
の毎日新聞で記者が北朝鮮の参事官に対して質問をしているわけであります。いろ
いろな質問をしているのですけれども、その質問は、食糧不足の現状とか、各国の
反応はどうなんだと、日本の態度は慎重だけれども、それに対して怒りはないか、
まさにごまをするというか、北朝鮮の宙官のごとくごまをする態度に終始一貫をし
て、我が国の問題については全く質問をしないという態度に終始一貫してきたとい
うのが、私は、残念ながら日本の多くのマスコミの態度であった、このように思う
わけでございます。しかし、やっと今、政府も本格的にこの問題に対して取り組ん
できたわけでございます。
その拉致疑惑の中の一つでありますが、原敕晁さんという方、中華料理店の店員
だった方が、一九八〇年六月に北朝鮮の工作員によって拉致をされたわけでござい
ます。なぜその拉致がわかったかというと、辛光洙という北朝鮮のスパイが原敕晁
さんに成りかわって、そのパスポートを使って韓国に潜入をして、そして韓国で逮
捕されたわけであります。
そして裁判になって、その裁判の中で、自分は原敕晁氏という男に成りかわって
いたということを述べているわけであります。そしてそのときに、だれに成りかわ
ろうかという謀議を実は大阪でやったというわけであります。その謀議にかかわっ
ていた人が、これは北朝鮮系の商工団体の会長さんと理事長さんであります。三人
で謀議をした結果、身寄りのない人をさらって、そのかわりに入れかわらせてスパ
イを送り込もうという謀議をしたわけであります。
原敕晁さんは、実際はお兄さんがおられるわけでありますが、戸籍上はいろいろ
な家族の事情で、たまたま天涯孤独のような戸籍になっていたわけであります。し
かも、運の悪いことに、その原敕晁さんが働いておりましたのもその理事長さんが
経営をしている中華料理屋であったわけでございます。そして、ある日忽然と原さ
んは消えて、そしてその後、この辛光洙が成りかわって日本に入国をしてきたとい
うわけであります。
そして、そのことはすべて韓国の裁判の記録には出ております。しかし、現在こ
の中華料理店もそのままあります。そして、そのときの理事長、かつての会長も、
堂々と日本でそのまま暮らしを
続けているわけであります。裁判の記録にそのように厳然たる事実があるのに、私
は、日本の警察はどうしているんだと、これは強い憤りと疑問を感じるわけであり
ます。この問題について、警察が知っている範囲でお話をしていただきたいと思い
ます。
○米村説明員 お答えいたします。
先生御指摘の事件は、昭和六十年六月に韓国当局によって発表されたいわゆる辛
光洙事件というものでございます。
日本人拉致という極めて重要な問題でありまして、当時、警察庁といたしまして
は、国際刑事警察機構、ICPOを通じるなど、関係資料の収集も含めて韓国当局
と所要の情報交換、あるいは国内における捜査を行ったところであります。その結
果、御指摘の大阪府居住の日本人男性につきましては、昭和五十五年六月、北朝鮮
からの指示を受けた北朝鮮工作員によって宮崎県の海岸に連れ出され、工作船によ
って北朝鮮に拉致された可能性が極めて高いというふうに判断をいたしております。
今申し上げましたとおり、これまで本事件につきましては、韓国当局との情報交
換を含め所要の捜査を実施しているところであり、これにつきまして法務、検察当
局等の関係機関とも適宜必要な協議あるいは検討を行っております。しかしながら、
公開捜査に絡むいろいろな各種の問題等がございまして、本事件に関しまして、日
本国内関係者に対する強制捜査の実施には至っていないという現状でございます。
以上でございます。
○安倍(晋)委員 辛光洙は、パスポートあるいは免許証の偽造を行っておりまし
て、公文書偽造、我が国の国内の罪も犯しているわけでございますから、当然私は
韓国に対して、今刑務所に入っているその辛光洙に対して取り調べを行いたいとい
う意思を伝えてもらいたい、このように思うわけであります。
このときの謀議の中で、身寄りのない人を探そうということで意思を決定したわ
けであります。たまたまこの原敕晁さんにはお兄さんがいた、また、成りかわった
スパイが韓国で捕まったということで表に出たわけでございますが、私は、恐らく
原さん以外にも何人もこのように、本当に天涯孤独であればわからないわけであり
ますから、連れ去られた日本人が確実にいる、ある意味では確信もいたしております。
もちろん、ただいま申し上げましたように、この商工団体の会長、理事長はかかわ
ったとはいえ、日本にたくさんあるそうした団体の人たちがすべて悪いとは私は申
し上げません。たまたま、この二人がそういうことにかかわったということであり
ます。立派な人もたくさんおられるということも、つけ加えておきたいと思うわけ
でございます。
ただいま申し上げましたように、これはぜひとも警察として全力を挙げて韓国に
対してそういう働きかけをしていただきたいと思うわけでございますし、また、外
務省も当然外交当局として協力をしていただきたい、こういうように思うわけであ
ります。
現在のところ、こうした拉致作戦というのは一段落をしたようでございますが、
特に私の地元は下関でございまして、日本のラジオよりも平壌放送の方がよく聞こ
えるぐらいなのですが、いまだにこの平壌放送の中で、ある時間になりますと番号
を言うのですね。朝鮮語で五、四、八、九、六と番号をずっと言うのですね。これ
は、我が国の国内に潜入しているスパイに対して、乱数表に基づいた暗号を堂々と
平壌放送で送っているわけでございます。これはある意味では、極めて日本に対し
て敵対的な行動を堂々としているわけでございますが、この事実を警察庁または外
務省は把握をしているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○米村説明員 お答えいたします。
御指摘のような内容の報道等がなされているということは十分承知をしておりま
す。警察といたしましては、公共の安全と秩序の維持という警察責務を果たすため
に、この種の諜報通信に係る情報の収集、分析、整理等は行っているところでござ
いますが、その具体的内容につきましては、捜査上の制約、あるいは法令上の制約
という観点から、御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○安倍(晋)委員 できれば、もちろん解読できているのかどうかということはこ
の場ではお伺いをしないわけでございますが、そうすべく努力をしていただきたい
と思うわけでございますし、もしそれがいわゆる謀略的な暗号であるのであれば、
外務省当局として正式に抗議も申し入れていただきたいと思う次第であります。
これは通告した質問の中になかったわけでございますが、現在のところ、七件十
名ということになっております。これは最近人数がふえたわけでございますが、さ
らにふえる可能性があるのかどうか。あるいは、断定はできないけれどもその疑い
があるという、もし人数がわかっていれば、件数がわかっていれば教えていただき
たいと思います。
○米村説明員 御指摘の点については、警察としても十分関心を持って見ていると
ころでございます。ただ、警察といたしましては、これまでの捜査の結果を総合的
にかつ慎重に検討した結果、北朝鮮による拉致の疑いがあるという意味で判断して
いるのは七件十人ということでございますが、それ以外のものにつきましても重大
な関心を持って引き続き捜査を行っているということでございます。
○安倍(晋)委員 拉致された人たちの家族の皆さんは、娘あるいは息子の無事な
帰国を一日千秋の思いで今待っているわけであります。その御両親も、当然今まで
日本の国民として税金を納めて、そして我が国の国民であることを誇りに思って今
日まで来ております。
しかし、政府が、そのお嬢さん、息子さんたちが拉致をされて、これを取り戻す
ことができないというのは、本当にこれはまさに、国の威信と、そして我が国が安
全を守ることができる、国民の生命と財産を守ることができるという、国民の政府
に対するまさにクレジビリティーの問題にもかかわってくる、このようにも思うわ
けでございますから、全力を挙げて警察庁、そして外務省でこの問題に取り組んで
いただきたいと思う次第でございます。
時間が参りますので、これで私の質問を終わらさせていただきます。ありがとう
ございました。
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